いつものように俺が学校から帰ると、リビングから賑やかな話し声が聞こえた。


だいたい予想がつく。


テレビを観ながら、お煎餅をかじり、しゃべくる俺の母親と美沙の母親。


「ただいま」


「おかえり」


予想通りだった。


すぐにリビングから2階に行こうとしていたら、母に呼び止められた。


「准、ちょっと待って。美沙ちゃんが着替えて来るから」


「はぁ?」


美沙が?何から何に着替えて来るんや?


頭の中には山ほどの『?』がついていた。


それでも目の前の母親達は、俺を無視してしゃべり続ける。


はぁ?状況が掴めないんですけど・・・。


状況説明をお願いしようとした瞬間、リビングのドアが開いた。