「准どうしたん?」


あぁ、その上目遣い、誘ってるようにしか見えへんし。


どうにかこうにか理性を保ち、床に転がっていたクッションを美沙の顔に押し付けた。



「うぅぅ・・・」



それにしても何や、あの感触。


小学生の時に、抱き着いてきた時の美沙とは明らかに違う身体に動揺を隠せなかった。



それより、なんでいてるんや?


「美沙、なんでいてるんや?」


美沙の顔に押し付けているクッションを掴む手を緩めて聞いた。


美沙はクッションを胸に抱き、口を開いた。


「おばさんに料理を教えてもらいに来たんよ」


ふぅん。


やめたわけじゃないんか・・・。


「で、なんで制服なわけ?」


「准が早く私に会いたいかな?って思ってね」


そう言いながら、美沙は立ち上がりくるりとドアの方を向いた。


短いスカートがふわりと揺れて、再びドキドキさせた。


なんでこいつはこんなに警戒心がないんや。


男として見てないからか・・・。


「お前みたいな気の強い女になんか会いたくないわ!」


照れ隠しでそう言った。



こう言ったら、いつもの関係に戻れると思って・・・。



しかし美沙は、少し振り返り、

「ひどいわ。そこまで言うことないやん!准なんて嫌い」

と言うと、俯いて出ていこうとしていた。



えっ、反応が違うって・・・。


そこは『私も准みたいな生意気な奴に会いたくないわ!』やろ?


そうやって、笑うんやろ?


ち、ちょっと待てって!


出ていかんといてくれ、美沙。