「准、お誕生日おめでとう」
頭を悩ませている俺に笑顔で言った美沙の言葉に、さっきまでモヤモヤしていた問題は、一瞬にしてどこかへ消えていった。
「ありがとう。美沙、誕生日おめでとう」
照れ臭さを隠すように後ろ髪を触りながらお礼を言い、そして美沙の誕生日を祝った。
「ありがとう」
ニッコリと微笑みながら言う美沙は眩しくて、俺の心臓は壊れてしまうくらい激しく鼓動していた。
「美沙、これ・・・」
「えっ?私に?」
恐る恐る差し出した紙袋に、美沙は驚いているようだった。
そんな美沙の表情を見ながら隣に腰を下ろした。
「初めて作ったから、見た目は悪いけど、味は保証つきやで!」
照れ隠しのために、少しおどけて言ったが、思いの外、美沙の表情が真剣で、言葉を失った。
「准が作ってくれたん?」
「あ、まぁ・・・」
優しい口調で話しかけてくる美沙の声が心地よくて、そのピンク色の唇に吸い込まれそうになっていた。
そして、箱を開ける美沙の横顔を緊張しながr見つめた。
「うわぁ、すごい!めっちゃ、うれしい!」
箱を開けた途端、美沙の明るい声が聞こえてきたので、胸を撫で下ろした。
「あと、これも・・・」
再び緊張した面持ちでもう一つの紙袋を差し出した。
「・・・まだあるの?」
目を真ん丸にして驚いて振り向いた美沙の前に紙袋を置くと、すぐに顔を逸らした。
うわぁ、恥ずかしくて見てられへんし。
どうしよう。
往復6時間もかけて買いに行ったってばれたら、何を言われるかわからんし。
絶対に笑われるよな。

