【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~



「准は、自分の出産予定日を知ってる?」


「えっ、知らんけど・・・」


美沙から出てきた言葉は、考えていたどれにも当たらず、予想範囲をはるかに越えていた。



なんでそんなことを聞くんやろう・・・。


俺が困惑する様子も気にしないで、美沙は話を続けた。


「あのね・・・准の予定日は4月3日やったんやって」


「今日やん・・・」


初めて聞いた。


「それで、私の予定日が3月31日やったんやって」


「俺の誕生日か・・・」



そうやったんや。


でもそれがどうしたんや?


「そう・・・。もしね、私たちが予定日通りに産まれていたら・・・学年が2つも違ってたんやで」


冷静になり考えている准の姿を美沙は、優しく見つめていた。


「・・・・・・ほんまや」


今まで考えたこともなかったけど・・・。


「これってすごくない?私だけが予定日通りに産まれて、准が今の誕生日にうまれても、その逆でも、学年が1つ違うの・・・」


「そうやね・・・」


嬉しそうに訴えかける美沙のテンションに、若干取り残されている俺もとりあえず返事をしていた。


「同じ学年になる確率が1番低いんよね・・・」


「そうやな・・・」


今のパターンだけやもんな・・・かろうじて同級生なのは・・・。



「もし違う学年だったらさ、ここまで一緒にいることなかったんかな?って思ったら、なんかすごいな・・・って思ってたんよ」



「そうやな」



美沙の嬉しそうな顔は、いっそう明るくなり、ドキドキさせていた。


「准、さっきから『そうやな』ばっかりやし」


呆れ顔をしながら移動し、美沙はソファに体を沈め伸びをしていた。



「だってさ、美沙が何を言いたいのかがわからんから・・・」



振り返り、眉をひそめて少し困惑した様子で話す俺に、美沙は笑いながら言った言葉に疑問が残った。


「別に・・・ただ思ってたことを話しただけ」


ほんまに?


ただそれだけ?


俺は必死に考えていたが、答えは全く導き出すことはできなかった。


ほんまにただの気まぐれで言ったんかな?


深読みしすぎて頭の中は混乱していた。それが、表情にも出ていたのか、美沙はクスッと笑っていた。