【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~



「おはよう」


「准、おはよう。今日も早いんやね」


嬉しそうにしている母さんを軽くかわすと、朝食を摂った。


リビングでは父さんがコーヒーを飲みながらテレビを観ていた。


食事も済み、掃除をしている母さんに気付かれないように、さりげなく食器を洗っていると、玄関から聞き覚えのある声が聞こえた。


「おはようございます」


両親たちは4人は、朝から出掛けるので、美沙の両親が誘いに来た。


「准くん、美沙帰ってるわよ」


「あ、はい」


ニッコリ笑いながら声を掛けてくれた美沙の母親に、動揺しながら返事をした。


「准、行ってきたら?」


「うん」


母さんの言葉に素直に返事をすると、早速行動に移そうする俺を見て、父さんと母さんは優しく微笑んでいた。


「とりあえず、鍵持って行ってね」


「あ、はい」


美沙の母親から家の鍵を受け取ると、部屋に戻りプレゼントを手に取り、自然に笑みが零れる顔を引き締めて、家を出ようとした。


「母さんたち、お昼過ぎになると思うから、何か食べておいてね」


「はぁい」


靴を履きながら、母さんの声に返事をすると、勢いよく立ち上がり、玄関のドアを開けた。


明るい春の陽射しは、俺を包み込んでくれ、足取り軽く美沙の家に向かった。

深呼吸をし、緊張した面持ちでチャイムを押した。


美沙、びっくりするかな?


会いたい・・・


早く・・・


早く出てきて・・・


・・・返事がないし。