「お帰りなさいませ、ご主人様」



そんな声が教室の中から聞こえてくる。


俺と健吾は美沙の学校の文化祭に来ていた。




「どこや?女王様は?」



キョロキョロと教室を覗いている健吾の腕を肘でつつきながら、



「お前な!恥ずかしいことを言うな」


と注意した。



恐る恐る、店の中に足を踏み入れると・・・。



10人ほどのメイドさんが迎えてくれた。



「お帰りなさいませ、ご主人様」



普段、メイドに興味がない俺でもなんだか嬉しくなってしまう。

隣の健吾も鼻の下を伸ばしていた。


俺も人のことは言えず、ニヤつく顔を必死でこらえようとしていた。



ニヤニヤしてたら、美沙に何を言われるかわからんし。



美沙はいないのかな?



俺は、美沙がメイド服姿で現れなかったのに少し安心していた。



『女王様≠メイド服』だから、きっと美沙には、ああいうフリフリの服は似合わないと准は思ってた。