次の日から美沙に会わないように、家には居ずに出掛けるようにした。


できるだけ美沙のことを思い出さないように、美沙とは接点のない友達と遊んでいた。


ある日の夕食時、

「美沙ちゃん、明日から旅行に行くんやって」

と言った言葉に、つい反応しまっていた。


「えっ?」


家族旅行?


友達と?


まさか・・・男と?


「いやだぁ!准、心配しなくても、女の子の友達の田舎に遊びに行くんやって」


「べ、別に俺は・・・」


動揺するのを隠せずに噛んでしまった。


「相変わらず素直じゃないのね」


「・・・・・・」


悪かったな・・・素直じゃなくて。


「帰ってくるのは、4月3日やって」


「4月3日・・・誕生日・・・」



その日付に無意識のうちに反応していた。


「あら、准、よく覚えてたわね。美沙ちゃんの誕生日やね。そう言えば、准の誕生日は明日やね〜。美沙ちゃんがいなくて寂しいね」


マシンガンのように話し続ける母親を無視して、黙々と箸をすすめていた。


美沙の誕生日かぁ・・・。


健吾は何かあげるんかな?


そもそも美沙の誕生日を知ってるんか?



・・・・・・別に俺には関係ないし。



なんであいつと美沙がうまくいくようにする必要なんてないし。


苛立っ思いを抑えれないまま、眠りにつこうとしたが、なかなか寝付くことができなかった。