「宮元くんが遅刻なんて珍しいわね。これからは気をつけるようにね」


「はい」


よかったぁ。今日は機嫌がいいみたいや。


遅刻はしたものの無事に授業が終わり、俺は机に突っ伏していた。




「准が遅刻なんて珍しいな」



嬉しそうに近づいて来たのは健吾だった。


健吾は、俺らの両親が家を空けているのを知っていた。


「あぁ・・・昨日あんまり寝てなくて・・・」


顔を上げるのも億劫で、姿勢を変えずに話した。


結局、寝たのは3時間弱だったので、今頃睡魔が襲って来ていた。




「ま、まさか・・・お前・・・親がいないのをいいことに・・・美沙ちゃんと一晩中??」



「はぁ?お前何を言ってるんや!」


健吾の言葉に眠気も覚めてしまった。


「だってさ・・・テスト前でも23時には寝る男が寝てないなんて・・・てっきり美沙ちゃんと、あんなことや、こんなことをしたのかな?ってね・・・」


「アホ」


呆れすぎて言い返すのも面倒だった。



この男はなんでそんなことしか考えれないんや?



人のことは言われへんけどな。



体中の痣のことを思い出して、苦笑いを零した。