「准、帰る?」
えっ?
なんで急にそんなこと言うん?
「・・・いて欲しい?」
俺は、何を言ってるんや?
俺の言葉に目を見開いている美沙を見て、すぐにごまかそうと思った。
しかし、俺の言葉より美沙の言葉の方が早かった。
「うん」
俯きながら頷く美沙から目を離すことが出来なかった。
俺は・・・どうしたら・・・。
こんなに弱ってる美沙を放っておけないし・・・。
かといって、俺は一晩我慢できるんか?
「わかった」
我慢することを決めた。
大丈夫。距離を保ってたらいいやん。
近づかなかったら・・・なぁ?
組んだ腕に力を入れて、二の腕を再び強くつねった。
「ほんまに?」
涙を潤ませた目で見つめられるとさっき決めた意志が揺るいでしまいそうだった。
「うん・・・」
「ごめんね」
申し訳なさそうに言う美沙を抱きしめたくてしかたなかった。
「俺、風呂に入ってくるな」
風呂に入って、全部洗い流そう・・・。
「あっ、こっちで入ったら?まだお湯抜いてないし・・・」
「あぁ・・・じゃあ、着替え取りに行ってくるな」
立ち上がり、出ていこうとしたが、すんなり進むことができなかった。
振り返ると美沙がシャツの裾を掴んでいた。
「一緒に行っていい?」
上目遣いで見つめてくる美沙から目を逸らして、
「行くぞ」
とだけ言いリビングを出た。

