「じゃあ、俺帰るから」
「えっ?」
立ち上がった俺が美沙の顔を見ると、驚いた顔をして見上げていた。
なんて顔をするんや。
俺を見つめる美沙は、涙目で眉をひそめて、悲しそうな表情をしていた。
「准、帰らんといて・・・」
美沙?
何を言ってるんや?
「いや、帰るよ」
このまま美沙と二人きりで居て、何もしない自信がない。
「だって、また停電になったら・・・」
「じゃあ、早く寝ろよ」
自分でも残酷な言葉とはわかっていたが、こう言うしかなかった。
美沙、ごめん。
一緒にいたら、俺が美沙を傷つけてしまう。
「准・・・冷たい・・・」
泣きそうな顔で言う美沙でさえ、すぐにでも抱きしめたい衝動にかられる。
しかし、その衝動を脇腹をつねりながら必死で抑えていた。

