部屋へ行き、白い紙袋を持ち美沙の家に向かった。
美沙の家の前に立つと深呼吸をし、チャイムを鳴らそうとしたが、なぜだかその指が震えていた。
やばっ、何を緊張してるんやろう。
別に告白とかするんじゃないんやから。
もう一度深呼吸をし、チャイムを鳴らした。
しばらくするとドアが開き、いつもの笑顔で美沙が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。どうしたん?今日は早いんやね。まぁ、上がって」
「ありがとう」
美沙は、俺を家に入れるとリビングの方に向かった。
「美沙、おにぎりおいしかったよ。ありがとう」
「いいよ〜。それよりさ、准はなんで今日は早いの?いつもお昼前まで寝てるって、おばさんがぼやいてたよ」
「いや、別に・・・なんとなく」
部屋の中を掃除しながら聞く美沙に、曖昧な答えを返した。
ホワイトデーのプレゼントを渡すのに緊張して、早く起きてしまったなんて言われへんし。
「ふぅん」
深く突っ込まれなくてよかったと、胸を撫で下ろしていた。
「美沙は、出掛けないん?」
「今日は、ホワイトデーやで?しかも日曜日。みんな彼氏とデートに決まってるやん!
それとも嫌味?准こそ、あの実佐ちゃんとよりは戻ってないの?」
「ないないない!」
大袈裟に首を横に振る俺を見て、美沙は「慌てすぎ」とだけ言い笑っていた。
なんで俺は慌ててるねん。意味わからんし。
それより俺、完璧にこれを渡すタイミングを逃してるよな?
美沙を見ると、鼻歌混じりで掃除をしているので渡すに渡せない状況だった。
掃除を終えた美沙は、リビングのソファに座っている俺に声を掛けた。

