俺は、電車に乗り、外の景色を見ながら自分の欠点だらけの言い訳を反省していた。
3駅ほど離れた駅で降りると、改札を出て歩き始めた。
5分くらい歩いていると、『White Magic』と描かれた看板が見えてきた。
店内に入った瞬間、甘い匂いに包まれ、それだけで幸せな気分になった。
「すみません。これ・・・」
鞄から紙切れを出し、店員に渡した。
「少々お待ち下さい」
笑顔でそう言うと、店員は奥へ行き真っ白な箱を持って戻って来た。
なんかわからんけど、緊張するなぁ。
周りを見渡すと、ケーキを選ぶ女性客、明日のホワイトデーのためにか何かを真剣に悩んでいる男性客もちらほら見られた。
俺は、予約していた品物を受け取りに来ていた。
『White Magicっていう店のクッキーを好きな子にあげたら、両想いになれるっていうジンクスがあるぞ。
ホワイトデーに美沙ちゃんにあげたら?
ただし、この時期は人気あるから、予約せなあかんぞ』
健吾に聞いたその日のうちに、俺はクッキーを予約しに来ていた。
ホワイトデーまで1週間あるというのにすでに残りわずかだった。
予約までしたのに、今朝、美沙がホワイトデーの話をするまで、すっかり忘れていた。
ほんま、危なかったし。
よかった。
美沙が言ってくれて。

