「ただいま〜」
家に帰ると、両親がニヤニヤという表現が合う顔で出迎えていた。
言いたいことはわかってる。
美沙とのことやろ?
「准、美沙ちゃんとのデート楽しかった?」
「あぁ・・・」
満面の笑みで寄ってくる母親が怖くて、後ずさりしながら、曖昧に答える様子が、母親には不満だったらしく
「楽しかったんやったら、もっと嬉しそうな顔をしなさいよ」
呆れるように言い放った。
あんたが怖いんや!
そんなことは口には出せずにソファに座ると、次は父さんからの攻撃が待っていた。
「美沙ちゃん、かわいいからいいよな〜。父さんもあと20歳若かったら、狙ってるなぁ」
父さんまでなんやねん。
狙うってなんやねん。
「准、これお土産?」
「あぁ」
「ありがと〜!」
なんでそんなテンション高いんや。
鼻歌混じりの母さんは、お土産のクッキーを見て大喜びしていた。
「このクッキーおいしいのよね〜。准、これ、美沙ちゃんが選んでくれたんでしょ?」
「そうやけど」
「やっぱり?さすが美沙ちゃんやね。母さんの好みがわかってるわ」
母さんが大喜びしているクッキーは、美沙が
『おばさんは、こういうのが好きやで』
と言って買ったものだった。
お土産なんて買うつもりなかったが、
『おばさん喜ぶよ』
と言われたので買って帰った。
なんか、美沙の言いなりやし。
でも、母さんの嬉しそうな顔を見れたからいいか。
まぁ、俺が罠にかかって嬉しいってのもあるんやろうな。
風呂に入り、疲れた体を休めるべく、ベッドに横になった。

