「准、あれに乗ろう!」
2400円もするパフェでお腹がはち切れそうになりながら、レストランを出て美沙が直ぐに指差したのは、観覧車だった。
「ち、ちょっと待てよ!」
お前、俺が高所恐怖症って知ってるやろ!
俺言葉など無視して、美沙は俺の手を引っ張り観覧車の方に向かった。
「俺もお化け屋敷に入らんかったんやからさ、やめてくれよ!」
そう!俺はやめてやったのにさ・・・なんで俺だけ嫌な目に遭わなあかんねん!
観覧車の恐怖による震えと、美沙の理不尽な態度への怒りによる震えに襲われていた。
文句を言いながらも美沙に手を引かれていたが、急に美沙が立ち止まったかと思うと、振り返り、じっと見つめられた。
「・・・准が私とのデート中に他の女の所に行った罰」
・・・えっ?
上目遣いの美沙にノックアウトされてしまい、言い返すこともできなかった。
「はい。わかりました」
あんな切ない顔して、あんなこと言われたら、何も言われへんやん。
しかたなく、観覧車に乗り込んだ。
うわっ、この上がっていく感覚・・・最悪やし。
しかも美沙は楽しそうに笑ってるし。
向かいに座ってる美沙の楽しそうな笑顔さえ、恐怖でかすんで見えなかった。
「ねぇ、准?あんなことくらいで騙されてるんやったら、やっぱりお母さんたちを罠にかけるのは無理じゃない?」
「えっ?」
もしかして・・・・・・俺、騙された?
「気付いた?私がかけた罠」
「お、お前なぁ!」
ほんま、腹立つ!
なんやねんこの女!
絶対に俺の罠にもかけてやる!
ブツブツ文句を言う俺を見て、美沙は余裕の笑みを浮かべていた。

