【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~




「・・・美沙のこと?」


「ミサ・・・って、私と同じ名前なんや・・・」


「あ・・・うん」



実佐ちゃんは、美沙が自分と同じ名前である事実に驚いているようだった。


「どれくらい付き合ってるん?」


実佐ちゃんの質問は続いた。


その表情を見る限り、本当は聞きたくはないように見えた。


付き合ってる・・・ではないんやけどな。

でも説明するのもややこしいから、彼女ってことにしておこう。


「3日・・・かな」


「3日!?」


実佐ちゃんは、目を真ん丸にして驚いていた。


俺、変なこと言った?


「ごめん。もっと長いんかと思ったから・・・」


「えっ?」


「なんかさ、雰囲気がよくて・・・付き合いが長そうに見えたから・・・」


そっか、俺ら手も繋いでいたし、実佐ちゃんが見たのは俺が美沙のソフトクリームを食べているところだったもんな・・・。


「そ、それは・・・俺らが幼なじみだからじゃないかな?

生まれた時からずっと隣に住んでるから・・・」


「なるほどね、納得したよ」


そう言うと、実佐ちゃんは俺を見つめた。


「・・・・・・」


「ずっと、好きやったんやね。美沙ちゃんのこと」


「・・・・・・うん」


すぐには返事はできなかったが、静かに頷いた。


「そっかぁ、じゃあ、ただの一目惚れの私に勝ち目はないなぁ」


「・・・・・・」


「准くんは、覚えてないと思うけど・・・電車の中で友達に名前を呼ばれて、振り返った時に、目が合ったの。

そこで准くんに一目惚れしてしまったの」



・・・・・・そういえば。



俺は、細い細い糸を辿って、記憶を呼び起こした。