夏の短編【2作品】


石段の上においた手に薫くんの手が重なる。


「もう一回、呼んで


「薫…」


いつも生意気で大人びているのに、今は少し照れ臭そうにしてる。


「キスしていい?…ここに」


薫の指が私の唇をかすった。


「うん…」


目を閉じると、唇が重なった。


「もう一回…」


石段においた手に薫の手が重なる。


お祭りの音をどこか遠くで聞きながら、私は幸せな気持ちを噛みしめるのだった。