夏の短編【2作品】



気づいて良かった。


お祭りに誘われたとき、即答したのも好きだったからなんだ。


「私も…好きだよ。東雲くんのこと」


じゃあ、と東雲くんが話を切り出す。


「僕のこと薫って呼んでください」


「薫…?」


「うん」


いつもとは違うふわっとした感じの笑みを浮かべられて、どうしたらいいのかわからない。


石段の上においた手に薫くんの手が重なる。