気づいて良かった。 お祭りに誘われたとき、即答したのも好きだったからなんだ。 「私も…好きだよ。東雲くんのこと」 じゃあ、と東雲くんが話を切り出す。 「僕のこと薫って呼んでください」 「薫…?」 「うん」 いつもとは違うふわっとした感じの笑みを浮かべられて、どうしたらいいのかわからない。 石段の上においた手に薫くんの手が重なる。