実際、「視線」が痛かった頃は、昼休みが始まるや否や真っ先に教室を出て、購買で昼食を買い、外を散歩していた――。



老朽化に伴い、5年前に新築された本校舎に体育館、それらに寄り添うプール棟の向こう側に、立派で広いグラウンド――。



広葉樹、針葉樹が取り囲む様に棲息し、周回路やベンチ等が整備され、四季の移り変わりをゆっくりと体感できる――。


鳥やリスなどの小動物、自生する植物や栽培され、花壇に美しくレイアウトされた花達が、静かな森に歌声と彩りを漂わせている――。



そんな学院環境にありながら、「独り」学院の歴史を背負い、本校舎の隣にひっそりと記念碑的に一部が残され、佇む旧校舎――。



木造3階建て、本校舎の3階と、過去と現代を行き来する如く渡り廊下で繋がれた、学院の繁栄と斜陽を知る存在――。



3階と2階は、いわゆるマイナーな部活の部室があり、1階は資材置場と化し、かつて沢山の女性徒が登下校していた正面玄関は、常に施錠されている――。



2階、3階も全てが部室で埋まっている訳でもなく、半分は空き教室で、正面玄関同様の処置が施されている――。