興味、困惑、疑念、異物――――決して好意的ではない視線と、旧女子高という染みついた概念から抽出される、「念」が校舎から、そして「女達」から、否応なしに「彼」に投げつけられ、照射される――。




彼にしてみれば、こんな状況に陥るとは、想像もしていなかったに違いない――。




私立椿ヶ丘女子高等学院――半世紀以上の歴史、伝統を誇り、名門女子高、お嬢様高などと、憧れと栄華を欲しいままにしていた時代はもう、過去の景色――。


時の流れには抗えず、生徒数も減少の一途を辿る――無論、学院側が「経営努力」を、過去の「成功体験」に入り浸り、怠っていた側面はある――。


事実、双璧をなしていた姉妹高は、いち早く時代の流れを読み、「有効」な対策を的確に施し、少子化の波の中、微増ながらも生徒数を増やし、「富」と「名声」を引き継ごうとしている――。



そして、焦った学院が導き出した答えが、男女共学化だった――理事会は紛糾し荒れたが、共学化を提案、推進した現理事長がその進退を「餌」にしてようやく沈静化し、共学化が決定した――。




卒業生達の反応は、好ましくなかった――。