五つの顔を持つ私





「全員席をはずしてくれるかしら」

メイド達が頭を下げて部屋を出ていく。

私も帰ろうと、美麗を引き連れて退出しようとしたら。

「あなた達は残りなさい」

麗子様に止まられてしまった。

…どうしよう…、嫌な予感しかしない。

恐る恐る振り向くと、麗子様は静かに「ここに座りなさい」と言われたので近くのソファに座った。

「みんなは元気?」

「はい」

みんな…というので思い浮かぶのは「聖龍」のこと。

麗子様も私の前の代の「聖龍」総長だった。

いわゆる先代ということ。

「私も遊びに行こうかしら」

「…みんなお喜びになると思います」

誰も麗子様には逆らえない。

麗子様は昔から無茶ぶりが大好きだった。

きっと、みんな凄いことになるんだろうなぁ。

と、頭の片隅で思いつつも私だって麗子様には逆らえない。

「…お待ちしております」

こう言うしかなかった。