五つの顔を持つ私





放課後 「聖龍」

ガラガラガラガラ

「「「「「おはようございます!!!!!!!!」」」」」

「…………」

下っ端の声には目もくれず、エレベーターに乗り込む。

ウィーン チン

コツコツコツ

ガチャ

「おかえり、麗」

「…ただいま…」

「なにか飲む?」

「…ココア…」

部屋の中にはゆかただ1人。

「…他のやつらは?」

「きらとみずきは仕事、みすずは部屋に閉じ籠ってる」

「…つかさは?」

「…ごみ掃除」

「…そうか…」

どうぞ、と言ってココアが注がれたカップを私に、ブラックコーヒーを自分にやり、ふかふかソファーに座った。

「…みすずは、また閉じ籠ってるか…」

「ええ、みずきがいないからね。みずきが仕事に行った直後に部屋に戻ったわ。何してるかと思ったら、ちゃんとパソコンで仕事してたわ」

「…そう…」

みずきとみすずは互いに依存している。

あの子達にはもともと親がいない。

孤児院育ちで周りからいじめられて育ったからみすずは人間不振に陥ってしまい、みずきはそんなみすずをほっとくことができずにみすずを支えてきた。

事件があったのは小6のとき。

当事担任だった教師にみすずが無理やり襲われ、危機一発でみずきが駆けつけたおかげで大事には至らなかったけどみすずはもっと人間を嫌いになり、みずきは男と言う生き物に復讐するようになった。

それを知ってるから誰も何も言えない、みすずでさえも。

みすずとみずきは常に共に行動し、みずきがいないときはみすずは部屋に閉じ籠り、外には一切出なくなってしまった。