『速報です。昨夜何者かに━━━会社の社長が殺害されました。近辺は警備隊やSPが警護しており、その全てが惨殺されていたということです。生存者は0。現場はあまりにも酷い状態で、その手口から警察はプロの殺し屋の犯行だとみて間違いないと捜査を進めています。しかし、証拠は一切なく、捜査は難航しています』
『━━━会社はブラック企業という噂が絶えなかったですからね』
『そうですね。調べによると、会社の社長自らが横領していたそうですよ』
『国民からは自業自得、殺されて当然という声が上がっています』
『殺し屋に感謝する人まで出てきて巷はお祭り騒ぎですよ』
『そうですね。では次のニュースです』
プツ
「…はぁ…」
巷でお祭り騒ぎ?なんじゃそりゃ。
不謹慎なことだな、人が殺されたというのに…。
…殺したヤツの言う台詞じゃないな。
「…どうした?」
「んー?人間って薄情なんだなって思ってさ」
「仕方ないだろ、人間なんてそんなもんだ。人が死んだってのにお祭り騒ぎ。あの社長はいろんな人から恨まれたり、憎まれたりしてたからな。変わりに殺してくれてありがとうってとこだろ」
「…そんなもんか…」
「ほら、しょげきってないで学校行くぞ」
「誰がしょげきってるって?」
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「おはよー」
「ねぇねぇ、見た~?」
「おはよう、麗」
「おはよう、薫」
「知ってる?昨日何者かに━ー会社の社長が惨殺されたって」
「ふぅ~ん」
注意深く上目遣いで私を観察する薫。
…こりゃもうばれてるな。
「ものすごく悲惨な有り様だったそうよ」
「…で?」
「…殺し屋が疑われてる」
声を低くして私に近づく。
「ねぇねぇ、聞いた~?今日のニュース!!」
「聞いた聞いた!!━━━会社の社長が殺されたんでしょ」
「殺し屋がやったんだよね」
「殺し屋なんてほんとにいたんだ…」
「…」
「…」
近くの女子生徒達の声が聞こえてきて沈黙してしまった二人。
「…どうすんのよ」
「…私に聞かないでよ」
「麗でしょ」
「だから?」
「少しは手加減しなさいよ」
「手加減する必要なんてないわ」
「「…はぁ…」」


