五つの顔を持つ私






「ちょっと麗!なんで昨日来なかったのよ!!」

…あ゛、忘れてた…。

そうだ、結局忘れてそのまま帰っちゃったんだ。

「ごめん、今日は絶対行くから」



そして………。

「…麗」

「…なに?」

「どうしてこうなった?」

「私に聞かないでよ。元はと言えば美麗のせいでしょ」

場所は幹部室。

目の前には幹部が勢揃い。

薫もいて、全員が全員私達を睨むようにジィィィっと見てる。

ああ、なんでこんなことになったのか…。

ことは数分前にさかのぼる。

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私達はしぶしぶ幹部室に来ていた。

隣にいる美麗はものすごく不機嫌。

ま、それも無理ないか。

何しろ連行同然で連れて来られたんだから。

「君が転校生の黒木美麗くん?」

副総長の満が嘘の偽笑顔を貼り付けて美麗に聞いた。

そのとき美麗の眉が少しピクッと動いたのを私は見逃さなかった。

…美麗は昔から人の表情や感情に敏感だったもんね。

「…」

「…美麗」

「…ああ」

なかなか警戒して返事しなかったから私がちょっと強く言ったら、ますます機嫌が悪くなった。

「…へぇ、お姉さんの言うことはちゃんと聞くってホントなんだ」

「…うるせぇ」

「んだと、てめえ!!ケンカ売ってんのか!?」

ちょっと猿、お前ケンカ売りすぎじゃない?

ケンカ売る相手は選んだ方がいいよ。

それが美麗じゃ、危険すぎるよ。

「お前なんてなぁ!!」

次の言葉を言おうとした猿の次の瞬間。

サッ

「…ッ!?」

美麗が動き、猿の首元に鋭利な刃物がすんでのところで止まっていた。

みんなはあまりの早さになにが起きたのか理解できてない。

「…ケンカを売る相手は選んだ方がいいぞ」

「…お…前…、な、何者だ…?」

「教える義理はねぇ」

はぁ…、ついにやっちゃったよ…。

「美麗」

私が静かに言うと、ナイフを下ろす美麗。

…そして冒頭に戻るってわけ。