「ちょっと麗!なんで昨日来なかったのよ!!」
…あ゛、忘れてた…。
そうだ、結局忘れてそのまま帰っちゃったんだ。
「ごめん、今日は絶対行くから」
そして………。
「…麗」
「…なに?」
「どうしてこうなった?」
「私に聞かないでよ。元はと言えば美麗のせいでしょ」
場所は幹部室。
目の前には幹部が勢揃い。
薫もいて、全員が全員私達を睨むようにジィィィっと見てる。
ああ、なんでこんなことになったのか…。
ことは数分前にさかのぼる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━
私達はしぶしぶ幹部室に来ていた。
隣にいる美麗はものすごく不機嫌。
ま、それも無理ないか。
何しろ連行同然で連れて来られたんだから。
「君が転校生の黒木美麗くん?」
副総長の満が嘘の偽笑顔を貼り付けて美麗に聞いた。
そのとき美麗の眉が少しピクッと動いたのを私は見逃さなかった。
…美麗は昔から人の表情や感情に敏感だったもんね。
「…」
「…美麗」
「…ああ」
なかなか警戒して返事しなかったから私がちょっと強く言ったら、ますます機嫌が悪くなった。
「…へぇ、お姉さんの言うことはちゃんと聞くってホントなんだ」
「…うるせぇ」
「んだと、てめえ!!ケンカ売ってんのか!?」
ちょっと猿、お前ケンカ売りすぎじゃない?
ケンカ売る相手は選んだ方がいいよ。
それが美麗じゃ、危険すぎるよ。
「お前なんてなぁ!!」
次の言葉を言おうとした猿の次の瞬間。
サッ
「…ッ!?」
美麗が動き、猿の首元に鋭利な刃物がすんでのところで止まっていた。
みんなはあまりの早さになにが起きたのか理解できてない。
「…ケンカを売る相手は選んだ方がいいぞ」
「…お…前…、な、何者だ…?」
「教える義理はねぇ」
はぁ…、ついにやっちゃったよ…。
「美麗」
私が静かに言うと、ナイフを下ろす美麗。
…そして冒頭に戻るってわけ。


