やがて目的地に到着。
男はそのまま慣れた手付きで建物内に入っていった。
男が立ち止まったのは防音機能が搭載された小さな小部屋。
黙って目隠しを取るといきなり女の背中を蹴り飛ばした。
「キャャァ!?」
今まで優しかった男が急に驚く程変貌したため、女はついていけず、なにがなんだかわからないまましりもちをついた状態で男を見上げる。
男の表情は正に“無”そのものだった。
なにも感じてない、むしろ感情なんて最初から存在しないかのような完璧な無表情。
本当にこれがつい1分前まで優しかったあの男だろうか。
女は目を疑った。
そして男は口を開いた。
「お前にはサンプルになってもらう」
「…は?」
「クローンを造るのに必要な血液を採取し、研究材料として実験台になってもらう」
まるで本物の機械のような声。
今目の前に立っている男は本当に人間だろうか。
と、そんなことを悶々と女が考えている間にも男は接近して来ている。
しまいには防護服をきた男か女かわからないような人が男の後ろから出てき。
「やれ」
男のその一言で動き出す防護服軍団。
「いやぁぁぁぁぁっ!!!!?」
女の絶叫が狭い防音室の中で木霊した。
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