五つの顔を持つ私




ゆかside

「………あなた、バカ?」

目の前にはびしょ濡れのきら。

なぜこうなったかというと、数分前に遡る。

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私と麗は幹部室でゆっくりとティータイムを満喫していた。

そこに突然現れたのがびしょ濡れで上半身裸のきら。

「…あなた、それどうしたの」

「うん?濡れた」

そりゃ見れば分かるわよ。

「なぜ濡れたかって聞いてるんだけど?」

「女の子達に水かけられた」

はぁ…。

どうせそんなこったろうと思ったわ。

麗は麗で甘いものばかり食べて全くの無関心だし。

少しは興味持ちなさいよ。

「それで?その格好でここまで来たの?」

「警察には捕まらなかったよ」

いや、そういうことを言ってるんじゃなくて…。

「あなた、上半身裸で寒くないの?」

「うん、今日は暖かかったでしょ?」

……待て、暖かかった……だと?

「……外、バリバリ雪降ってるけど?雪どころか吹雪だけど?」

これが……暖かかった?-5度よ、今日。

「ていうか、バイクで来たの?」

「そうだけど?」

なに平然と当たり前みたいな顔して言ってんのよ。

上半身裸でしかも濡れた状態から吹雪の中バイクに乗るってどんな神経してんのよ。

「あなた、傘は?」

これ以上質問するのは無駄だと知りながらあえて質問する。

「ん?女の子達にボキッと」

やっぱり質問するだけ無駄だったわね。

「あなた、バカ?」

そして冒頭に戻るというわけだ。