五つの顔を持つ私




「あの子、本気で空のことが好きだったのよ」

「へぇ、どうでもいいや。僕が欲しいのは麗だけだし」

「あら、私は仁のものよ」

「ブー」

空は膨れっ面。

それでも反論できないから項垂れるしかない。

「仁以外はダメだよ?」

「私が仁以外に靡くと思うの?」

「だよね」

あ~あ、せっかくのティータイムが台無し。

「じゃあ、私はもう帰るわね。依頼もないことだし」

「え~!?もう!?」

「だってもう真夜中よ?明日だって学校あるし」

渋る空をなんとか説得させ、空の力を借りて窓から飛び降りた。