五つの顔を持つ私




「あ、思い出した」

「なに?」

「前にここヘ来た女の子よ」

「いたっけ、そんな子」

「いたわよ、空に会いにわざわざ殺されに来たじゃない」

そうそう、たしか美晴って名前だった。

「ふぅ~ん、覚えてないや」

「まったく…」

始末屋が死体を運ぶのを冷たく一瞥する。

今から死体が行くところは処理場なんかじゃない。

このビルの地下にある牢屋。

別名拷問部屋とも言う。

そこで色々とグロい目に合う。

…まぁ、それはご想像にお任せする。

空が一番楽しみにしている時間。