ガチャ
「…?」
入ってきたのは女の子。
周りをきょろきょろしながら忍び足で歩いてる。
動きが挙動不審。
部屋の中に誰もいないのを不審がって警戒している。
でも、ざ~んねん♪
私達は二人共、天井にいる。
上からの視線に気づくかしら…?
「…誰もいない…?」
気付かなかったようね。
もうそろそろいいかな。
スタ
スト
同時に飛び降りた。
「!?」
驚いてる驚いてる。
サッ
女の子が瞬時に身構える。
「あら、そんなに警戒しなくても大丈夫よ」
「……………」
いまだ睨み続ける女の子。
「ようこそ、最上階ヘ。よくここまで来れたわね」
私が微笑むと間髪入れずに飛びかかってきた。
それを華麗に避け、
「あなたの相手は私じゃなくてこっちよ」
bossに用があるようだし、と付け足した。
「やぁ」
「…ッ!?」
にこやかな空。
対して相手の顔はだんだん憎しみで醜く歪んでいく。
「……二階堂……空」
「ん?」
「私は…、お前を、絶対に許さない…!」
懐に隠し持ったナイフを固く握りしめ、怒りでふるふると震えている体。
「……お姉ちゃんを……、返せーーー!!」
と叫んでナイフを空に向かって振りかざす。
……お姉ちゃん…?
「…君、どっかで会ったことあるっけ?」
「私自身は会ったことないわよ…。でも…、『美晴』って名前に覚えはない?」
「ない」
即答ね…。
「あなたを好きになり、あなたに殺された女よ!!」
…そんなの数え切れないくらいいるし。
「お姉ちゃんは最後の最後まであなたのことが好きだった!それを…お前は…お前は!」
「で?どうしたの?その子の復讐?」
「そうよ!!お姉ちゃんがいなくなってから家族はぼろぼろよ!!お姉ちゃんはねぇ、結婚だって決まってたし、婚約者だっていたんだから!!」
…とんだシスコンね。
お姉ちゃん、お姉ちゃん、うるさいったらありゃしない。
そんなに好きなら同じところに逝かせてあげる。
「じゃあ、君まで消えちゃったら家族はもっとバラバラになっちゃうね」
「…そ、そんなこと…、させない!!」
ブンッ
サッ
シュッ
スッ
「な、んで、避ける、のよッ」
ヒュッ
パシ
「!?」
「やめときな」
振り上げた腕を止められ、驚愕の眼差しで空を見つめる。
「君じゃ、僕には勝てない」
「そんなこと…、やってみなきゃわかんないでしょ!!」
「本職の僕と素人の君。どちらが勝てると思う?」
「…わ、私、素人じゃないわ!!」
…まさか、姉の復讐のためだけに殺し屋になったっていうの?
「…あなた、誰かに教えてもらった…とかいうんじゃないでしょうね」
「え?そ、そうだけど…?」
「へぇ~、誰?」
心なしか空はウキウキしている。
「そ、それは…」
「言えない…と?」
私の言葉に一生懸命頷く。
「誰かが、手助けしたようだねぇ~」
「じゃあ、質問を変えるわ。その手助けした人は、この計画を知っているのかしら?」
「まぁ…」
「そして、あなたが浸入する際、浸入経路だけでなく、必要な情報も提供した」
「だからなに!?」
これで確定ね。
100%内部の仕業だわ。
「情報提供、どうもありがとう」
「じゃあ、君は、もう用なしだね。バイバイ」
ザシュ
「!?…ぅ…」
皮肉にも自分が持っていたナイフで刺され、あまりにも一瞬のことだったので何が起こったのかわからないうちに倒れた。


