五つの顔を持つ私



ストン

「空」

「れ~い~♡」

シュ スッ ふわ

例の如く空が接近してきて私が避けて壁に激突する前に後ろ宙返りして最悪の事態を回避した。

さすが空。

空中でバク転をし、綺麗に着地。

にっこり笑って私を出迎えた。

「会いたかった~!!」

「今日はどんな用?」

「別に用はないけど~、会いたかった!」

「……………」

「あ!美麗が玩具をくれたんだ!」

「そう、楽しかった?」

「楽しかった!」

「よかったわね」

空が言う“玩具”っていうのは人間の獲物のこと。

以前、美麗がクローンを造るときにオリジナルを空にあげたときのことを言っているのだろう。

空は1日に10人は殺さないと暴れる。

暴れたら大変なことになる。

この60階建てのビル全てを全壊してしまうほど。

云わば生け贄。

でも空は直ぐには殺さない。

ちょくちょく痛め付け極限まで苦しませながら殺す。

その人にとって一番屈辱的なことをしたり、拷問にかけたり。

それはそれは悪趣味で。

でも本人には悪気がない。

無邪気に屈託なくかつ残忍に。

……恐ろしい男だ。