「うん。…でも、他の人の目付きが怖い…」会場を見ながら言うとクロードは

「大丈夫。万が一何かレイカの身に起きたらレイカがこの椅子に俺がエスコートしながら座った時点でレイカは王族の婚約者として、王族と同等の位がもうすでにあるんだ。…レイカの身に何か起きたらその時点で反逆の罪に問われる。」…クロード、さらりとスゴいことを口にしたような。

「さ、そろそろ始まる。」という声に考えていた思考は解かれて目の前の事に集中した。

……ひ、人が一杯…。

南の国境近くに領地があるギムレット男爵、北に領地を持つリリノア子爵夫人。…等々。沢山の方にお祝いの言葉を戴いた。

だけど、少し気になったのはクロードの幼なじみのマリアーノ公爵令嬢。

…目が笑って無かった。挑むような目付きでスゴくイヤだなって思った。クロードの事が好きなんだってすぐ分かった。

……ん。お腹、張ってる…。

隣に居てくれたクロードの服の裾を引っ張りクロードが目で《どうした》って言ってくれると

「ごめん。ちょっとお腹張って来たから休みたい…」そう小声で言うと

「分かった。…クリス、後宜しく。」と近くに居たクリス君にクロードは言ってくれて、あたしたちの近くにいたアースの騎士所属の人を12人居た内の4人に声を掛けてくれて控え室に下がった。