「じゃあ…皆さん、ただ今戻りました。」




私は言った。


でも、ただいまって?
私、そんなに寝てた?



「あの、皆さん、私、そんなに寝てましたか?」


「あぁ、約一か月ってとこだ。」


と斉藤さんが答える。



「へぇ…。一か月。




って、えええぇぇぇぇっ!?」




私は大声を上げてしまう。



一か月って、私、そんなに寝てたの!?



「ってことは、今は七月…?」


「あぁ。そうだが?」



土方さんがさも当り前のことのように言う。


すると、平助君が私に抱きついてきた。


「え…?どうしたの、平助君?」


「―――もう、起きないんじゃないかと思った…。

いつも、何回呼んでも、美奈は死んだみたいに動かなくて。
美奈は、本当は死んじゃったんじゃないかって思ったんだ。


そして、起きてこうやって皆と話しているところを見たら、脱力しちゃった。」



平助君は私から体を離すと、そっと微笑んだ。
私の肩を掴んだ手が震えている。



私、心配かけちゃったんだなぁって心から思う。


「ご迷惑をおかけしました…。」




私は皆に謝った。

そしたら、皆が微笑んだ。
まるで、おかえりと言うように。



と、近藤さんが口を開く。


「一か月前のことなんだが、美奈君、少し話せるかね?」




「あ、はい。大丈夫です。」