「じゃあ、私の本当の居場所はどこにあるっていうの!?」
「あなたは、神の生まれ変わりとして、古来から受け継がれていることをしなければならない。
それは、鬼との結婚。
そして、子孫繁栄。」
「…は?意味わかんないんですけど…。」
「そのうちわかること。
古来から鬼は化け物として扱われてきましたが、鬼は本来、神と同等に扱われるものなのです。
それを人々が嫌がった。
それで、古来から、神である木花開耶姫命の生まれ変わりが鬼と結婚し、子孫を産み、人々から鬼を守ってきた。
それが、この時代での私の役目だった。」
「なに、それ…。」
私はへなへなとその場に座り込む。
「あなたがもといた世の中に鬼は存在しないものになっていた。
私が死んでしまったから…。
それで、あなたをここに連れてきた。
だから、あなたには鬼と夫婦になってもらう。」
「意味わかんない!!
私には、平助君っていう恋仲がいる!!
鬼と夫婦になんてなれっこない!!」
「―――そんなことを言っていられるのも今のうち。
もう、鬼たちはあなたを探している。
百鬼の長である鬼の配下たちが…。
あなたのせいで、壬生浪士組の人たちが死ぬわよ…?」
「―――そんな…。」
私は驚愕した。
私のせいで皆が殺される。
私のせいで…。
「まぁ、近いうちに鬼の迎えが来るはずよ。
それに備えて覚悟を決めることね…。」
その美桜の言葉を最後に、私は気を失っていた。