私はぽかーんとしていた。
すると、それを察したのか山南さんが教えてくれた。
なんか、私が目を瞑っている時に、力士に襲われそうになってたところを助けようとしてくれたらしいんだけど、いきなり力士が飛んできて…。それで力士の方を見ようとしたら、周りの力士も倒れたんだって。
私を襲おうとした力士以外は飛んでかなかったみたいだけど…。
「へぇ…。」
私が感心したように頷いていると
「何があったか、本当に解ってないみたいですね…。」
と、呆れたように言われた。
「山南さん、こいつら、ほとんど気絶してるだけだぜ。」
と永倉さん。
「そうですか。
それでは芹沢さん、そろそろ宿に戻りますか。」
「そうじゃの。
では、戻るとするか。」
そして私たちは、芹沢さんの一言を合図に、その場を去った。
私はいつの間にか元に戻っていた総司に腕をひかれて…。
後ろを振り返ると、山南さんと斉藤さんは残っていた。
「総司、山南さんと斉藤さんは?」
「二人はあそこに残って近藤さんと井上さんを待つそうです。
あと、大坂奉行所に報告書を届けるみたいです。」
「ふーん、そうなんだ。」
…こうして長い一日に幕が下ろされたのであった。