目の前には、力士が一人倒れていた。
いや、死んでいる…。
周りを見渡すと、力士が数人怪我をしていた。
ここで死人を増やしてはいけない。
私ができること。
参戦しないといけないけれど、でも、参戦して死人を増やしたら…。
確か、大坂力士乱闘事件で死んでしまうのは熊川熊次郎さん唯一人なはず。
それなら私は、負傷した力士を手当てして芹沢さんを止めること、それしかない。
私は、怪我をした力士に向かって走って行った。
「大丈夫ですか!?
今手当てしますからね…。」
そう言って私は手当てを進める。
その時、誰かが叫んだ。
「玖龍、危ない!!」
私は後ろを振り返る。
後ろには、八角棒を私に振り下ろそうとしている力士がいた。

