芹沢さんは、腕を切られた力士に駆け寄る力士たちを冷たい目であしらい、
「わしらに逆らうからこうなるのじゃ。」
と言って、鼻を鳴らし、力士たちの横を通り過ぎて行った。
「美奈、行くぞ?」
そう言った永倉さんに私は聞く。
「あの人、どうなるの…?」
「腕だけだ。死にはしないだろう。」
「…そうですか…。」
「美奈、ほれ。行くぞ。」
そう言って永倉さんは先に行った皆を追いかけようと私に手を差し出す。
私は永倉さんの手を取り、立とうとする。
だが、さっきのことで腰を抜かしたようだ。
立てなかった。
「永倉さん、腰、抜けちゃいました…。」
「おいおい。」
永倉さんは苦笑い。
私は何度か立ち上がろうと試みたけれど、何をやってもダメだった。
「しゃーねぇな…。」
そう言って、永倉さんは私を姫抱きにして走り出す。

