彼女は続ける。
「美奈さん。あなた、先ほど何があったか覚えていますか?」
「さっき何があったって、私は柚希と一緒に帰っていて、それで…。」
そこまで言って私は思い出す。
私、柚希に階段から落とされて…。
「柚希っ、柚希はどこっ?」
「落ち着いてください。ここはあなたと私だけの世界。三上柚希さんがいることはないです。」
私はそう言われて冷静さを取り戻す。
「ねぇ、あなた、なんで私の名前を知っているの?
あなたは一体、何者?」
「それは、まだ言えません。」
「じゃあ質問を変える。
あなたは私に何をする気…?」
「それは、まぁ行ったらわかるでしょう。」
「行ったらわかるって…。」