それに私は、反応して芹沢さんの顔を見る。
すると鼻で笑われた。
そこで我に返る。
いけない。こんなのに反応しちゃあいけない。
「…そうか。それじゃあお前以外の奴らとでも楽しんでくるとするかぁ…。」
私は、また芹沢さんの顔を見た。
すると、鼻で笑われる。
「お前、本当は行きたいんだろう?
はやく準備しろ。皆で待っててやるから。
準備が終わったら門の前でな。」
そう言って、芹沢さんは部屋を出て行った。
私の頭を撫でて。
初めてあの人に頭撫でられた…。
芹沢さんに頭を撫でられた時の感覚を思い出す。
不器用で、ワシャワシャにされたけど、でもどこか優しくてあったかい手だった。
顔は、多分優しい顔をしていたと思う。
あの人の頭の撫で方で顔を想像すると、芹沢さんが優しい顔をしているのが意外に思えて顔がにやけた。
芹沢さんってあんなに優しい撫で方できるんだ。
そう思う美奈であった。