「あついぃぃぃぃっ!!」



只今、私一人で暑さに悶えています。



ゴロゴロ、ゴロゴロ。
ゴーロゴロ、ゴーロゴロ。





部屋で一人です。



捕まえたい奴捕まえてしまったので、私一人で絶賛暇してます。

みーんなどっか行っちゃって、宿には私と亭主さんだけ。
なんか、ここ最近働きづめだったところを、近藤さんが見兼ねて奉行所の方の報告には来なくていいと言われた。




「動きたかったのにぃぃぃぃぃいい!!」




私はシーンとする部屋で、そんなことを嘆いていた。

だって、いくら疲れていたって、皆も同じくらい疲れているはず。
それなのに、私だけのけ者にされた気分でなんかやな感じ…。



もし皆より働いていたとしても、もしみんなより疲れていたとしても、それは動いて気を紛らわしたかったから。










ここ最近、大坂に来る前からこんな感じ。

なんだか、あの人のことが頭から離れなくて、それと同時に心がモヤモヤして…。
なんか、その人に会ったら他の人と会っているときより胸が高鳴っている。

――かと思いきや、一緒にいると意外と落ち着く。





なんだか矛盾しているような、そんな気がして。







「はぁ……。」



私は、大きなため息をついたのだった。