「藤堂さん、あの人、誰なんですか？」
私は、さっきのあのでっぷりした人が去っていった方を指さす。
「あの人は、もう一人の局長、芹沢鴨っていう人だ。
あの人は、前川邸に住んでいる。」
「…そうですか。」
私は藤堂さんの顔を見ていると、それ以上何も聞けなくなってしまった。
本当に、何も…。
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部屋に戻ってしばらくすると、土方さんに呼ばれた。
藤堂さんと一緒に。
土方さんと一緒に、近藤さんと山南さんもいた。
山南さんとは、壬生浪士組のもう一人の副長で、私の歓迎会の時に親しくなった。
他にも親しくなった幹部の方はたくさんいるんだけど、まぁ、追々紹介しよう。
「さっき、芹沢さんに会った。そのときに、美奈、お前のことを聞かれた。
芹沢さんが何故お前のことを知っている？」
土方さんの言葉に、私は一瞬固まる。
すると、意外にも藤堂さんが訳を話してくれた。
