私たちは、屯所に戻った。
藤堂さんと部屋に戻っていると、とある人物にぶつかってしまう。
「きゃっ
…イタタ…。」
私はしりもちをつき、ぶつけたお尻をさすっていると、上から冷たい視線を感じる。
その視線に気づき、私は慌てて立ち上がって
「すみませんっ!!」
と言って、頭を下げた。
私は、顔を上げて藤堂君を見ると藤堂君の顔は青ざめている。
すると、私の顎に固いものがあてられ、ぶつかった人の方を向かされる。
ぶつかった人本人の手によって…。
「藤堂、なぜここに女子がおるのじゃ…。
しかも、隊服…?」
藤堂さんに助けを求めると、すまないといった感じで、顔の前に手を合わせている。
「芹沢さん、この子はわけあってここで隊士として住んでいるんですよ。」
「ふむ、そうか。
それではこれから近藤にそのわけとやらを聞きに行こうかの。」
そう言って、芹沢という人物はその場を去っていった。