「そういえば、壬生浪士組の隊務で必要ってゆうてたけど、脇差も必要かい?」



「あぁ、脇差も頼む。」





おじさんと土方さんで勝手に会話を進めている。

私は、土方さんを見ると


「おまえは気に入った刀を選べばいい。


まぁ、脇差を差すのは刀の重さに慣れてきてからでいい。」





私は、小さく頷くと視線を前に戻した。





おじさんが何本か刀と脇差を持ってきた。



私はその中でそれぞれ、目をひいたものを選んだ。


というより、刀に惹かれていたところを、土方さんが勝手にそれに決めて、勘定をしただけだが…。








次は呉服屋。





また、店の人と土方さんが勝手に会話を始める。
この呉服屋は菱屋といい、壬生浪士組行きつけの呉服屋なんだとか。






「いつもひいきにしてくれて、ありがとうございます。



今日は何の御用で?」





「こいつに合う寸法の着物と袴を見せてくれ。あと、こいつ用の浅葱の羽織も。

おまえは、さっきみたく気にいったのを選べばいい。」



私は、また黙って頷いた。