「なぁ、僕を早く帰してくれよ…。
僕、美奈をあんなに泣かせて…これ以上泣かせるわけにはいかねぇよ。」
「…そう、ですか。
わかりました。」
僕は目を閉じた。
すると、温かい光に包まれ次は辺り一面真っ黒なところに放り出される。
辺りを見回しても、さっきのあいつの声はしない。
すると、急な寒気が襲ってきた。
それと同時に、いままで感じたことのなかった恐怖。
後ろから誰かがおいで、おいでとこちらに手を振っている。
僕ははやくこの暗闇から、寒気から、恐怖から逃れたくてその誰かを追う。
誰かはどんどん、どんどん僕から離れていき、ついには声すら聞こえなくなってしまった。
僕はしゃがみこむ。
いまだに襲ってくる、先ほどよりも強く感じられるようになった恐怖に身を震わせ、両肩を抱える。
『平助君、平助君!!』
脳裏にはあいつの姿。
美奈、僕早く帰りてたいよ。
美奈、今どこにいる?
なぁ美奈……。

