「美奈、おはよう!!」
「あ、柚希おはよっ!!」
ニコッと微笑んだのは、私立エリザベス女学院中等部に通う、中学三年生の玖龍美奈。
彼女は容姿端麗、誰もが認める美少女で頭も良く、おまけに性格も良い。
ただ…彼女にはコンプレックスがあった。
それは家柄。
玖龍ホールディングス3代目次期跡取り。
そのため、彼女は周りの人に敬遠されつつあった。
でも、そんな美奈に声をかけ親しくしてくれている人が一人いる。
それは、三上柚希。
柚希は周りに敬遠されつつあった美奈に声をかけ親しくなった。
美奈は、ただ一人、声をかけてくれて親しくしてくれる柚希に憧れを感じ、信頼をおいていた。
学校に着くと、人だかりができている。
そういえば今日、期末考査の結果発表だったっけ…。
そんなことを考えていると
「美奈、そういえば今日、考査の結果発表だったっけ…?」
「そうみたいだね…。」
どうやら柚希と同じことを考えていたらしい。
私たちは二人で人だかりの波に乗って結果を見に行った。