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それからというもの、美奈のことを陰で悪くいうものはいなくなり、新入隊士たちは屯所内掃除、特に厠掃除に悲鳴を上げていた。



理由は簡単。



美奈がいなかった数か月の間、厠の掃除をろくにする者がいなかったから。





その悲鳴を聞いたことにより、幹部たちは美奈の存在がとてもありがたく感じられたのだった。


また、新入隊士たちの美奈に対する態度が一転。



美奈はまるで、一国の姫のような扱いを受けていたのだった。






「美奈、思えば美奈は厠の掃除もしてくれていたんだよな…。」





そう傍らで呟く平助君。



「そうだね…。



でも、厠は綺麗な方が使うときに苦にならないし、一度綺麗にしてしまえばこっちのもんだったよ。



綺麗にしてたらある程度は皆も綺麗に使ってくれるしね。」




「いつもありがとうございます。」




そう言ってニコッと微笑む彼に私も「いえいえ。」とだけ言って、微笑んだ。





昼間から毎日のように聞こえる叫び声に皆さんは苦笑い。


新入隊士たちを哀れに思うのであった。