「いやっ!やめて!!」
そんな声も虚しく空気に溶け込み、煉さんの苦しそうなうめき声だけが響いていた。
煉さんに駆け寄る。
「煉さん、なんで、なんでっ!!」
「あぁ、僕が好きだった美奈。
僕は鬼として、ではなくて人として君に出会いたかったな。
美奈、好きだったよ…。
あり、が、と…。」
私の頬に触れていた手が力なくだらりと落ちる。
「いやああぁぁぁぁっ!
煉さん、いやだっ!!
お願い、行かないで…。
お願いだからぁ…。」
そう言って煉さんの体を抱きしめる。
肩に触れる大きな手。
近藤さんだ。
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