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僕は美奈に振り払われた手を見つめた。
後ろから一君に「いいのか。」と声をかけられる。
「美奈、泣いていた。
切なそうな顔、してた。
僕、嫌われちゃったのかな…?」
乾いた笑いを漏らし、僕は屯所へ戻った。
その後ろ姿を一君が寂しそうに見つめていたとも知らずに。
「副長、斉藤です。
巡察何も問題がありませんでした。
―ですが、道中、藤堂が玖龍を発見。藤堂は一度は手首を掴みましたが、振り払われました。
隊士に追わせたところ、玖龍は下鴨神社に入っていったもようです。」
「そうか。
急ぎ、幹部と近藤さんを集めろ。」
「御意。」
そう言って斉藤の気配は消えた。
幹部が集まる広間に向かう。
そこにはすでに皆、揃っていた。
「斉藤、報告を。」
「はっ。」
そう言って、斉藤は先ほど俺にした報告を皆に淡々と伝えた。

