「いいよ。木花開耶姫の諦めがつくまで、僕は待っている。
いつまでも、ね?」
煉さんの顔は見ることができないけど、きっと今、微笑んでいる。
「ありがとう。」
私はそう伝えると、朝餉をまた食べ始めた。
これから、徐々にこの人のことを考えて平助君のことを忘れて行けばいい。
大丈夫、きっと大丈夫…。
――――――――――
一夜が明けて、目を覚ます。
朝餉を食べに広間に行くと、皆神妙な顔つきで俯いている。
あいつの姿を探すけれど、やっぱりいない。
夢であれば…
そんな僅かな希望を抱いていたものの、そんなの簡単に打ち消されてしまった。
「皆、おはよう。」
「あぁ、平助か…。おはよう。」
左之さんの返事を聞き、僕は自分の席に移動した。
後から近藤さんと土方さん、山南さんが入ってくる。
近藤さんは入ってくるなり、
「やはり、夢ではないのだな…。」
と小さく呟いた。
それがより一層現実を突き付けてくる。
はやく見つけ出して、会いたいな…。
そう僕は思ったのだった。