「んんっ…。」




美奈は目を覚ました。


周りを見わたすと、見慣れない部屋だった。




襖がすっと開く。




「あぁ、起きたんだね。


木花咲耶姫、おはよう。」


そこには、笑顔であいさつをする鬼がいた。



そういえば昨日、下鴨神社に来たんだっけ…。


夢であれば…すべてが夢であればよかったのに。
そう思う。




私は、起き上がる。


「何か、食べたいものあるかい?」


と聞いてくる鬼。




「なんでもいいです。」



「そうか。なら、今朝餉を持ってくるからちょっと待っていてね。」






そう言って鬼は部屋を出て行った。