百花繚乱-新選組-



人の命の儚さを改めて知った。


平和な世に生まれたからなのか、私は人の命の儚さを軽く見ていたのかもしれない。

大切な人が目の前であっけなく散ってゆくのがこんなに、切なくて、悲しくてつらいなんて…。


いやだ いやだ いやだ いやだ いやだ




もう何もかも受け入れたくない。

お願い、誰か私を解放して…。






しばらく走り、私はとぼとぼと歩きだす。
どこをどう走ってここに来たのかよくわからない。


でも、なんとなくどこかに向かえば、解放される気がして、本能のおもむくままに歩く。




――――――――――


しばらく歩き続けて辿り着いたのは、ある大きな神社。


「下鴨神社…?」


鳥居をくぐりぬける。

そこにはあの日の鬼がいた。



そういうことだったのか…


そうふと思う。

もう、なんとでもなればいい。



笑顔で両手を広げ「おいで。」という鬼のもとへ、引き寄せられていく。



もうどうでもよかった。

解放されたい。



人の生死に関わりたくなかった。



壬生浪士組は人の生死に関わるところ。

ときに仲間まで失う。






もう、あそこには居たくない。



でも、でもっ


「離れるのは、つらいよぉ…。」


そう言って、私は鬼の胸の中で泣いた。