芹沢さんにお酌をしに行く。
「芹沢さん、お酌します。」
「おぅ、美奈。ありがとな。」
芹沢さんがボソッと呟く。
「のぅ美奈よ。
美奈は未来から来たのであろう?
前に近藤に聞いた。
未来で、壬生浪士組はどう伝わっておる?」
「未来で…壬生浪士組は近いうちに新選組になります。
新選組の皆さんは日本国外でもラストサムライ、日本最後の武士と言われています。
新選組は英雄として未来に語り継がれていくんですよ?」
私はにっこり笑って芹沢さんに言う。
すると芹沢さんは「そうか。」ととても嬉しそうに笑っていた。
ふと芹沢さんが口にする。
「のぅ美奈よ。
今宵、濃は殺される。
なぁに男の勘ってやつよ。
その時はな、美奈に濃のとどめをうってほしい。
これが濃の最後の願いだ。
よろしく、頼むぞ?」
そう笑顔で言われる。
溢れそうになる涙を必死に堪える。
「芹沢さん、私、できません。
芹沢さんを殺すなんて。
私には、できない。」
「のう、美奈よ。これが最後の願いなんじゃ。」
芹沢さんが切なそうに、申し訳なさそうに微笑む。
その顔を見ると、断れなくなる。
「芹沢さんの最期、見届けます。」
私は決心し、そう芹沢さんに伝えた。

